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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
線上閱讀葉山 嘉樹《海に生くる人々(うみにいくるひとびと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,305 字 · 321 頁
その合羽はもちろん、その仕事着さえもパリパリと凍っていたのである。
船長は十円に非常な執着を感じたが、それよりも彼はやっぱり、その命の方に団扇を上げた。彼は内ポケットから、十円札を出して三上に渡した。そして、何かいおうとしたが、ハッと口をつぐんだ。
そして、彼はそのまま、波止場を出て、俥の帳場へ行った。
彼はそのまま、警察へ電話をかけようとしてまたやめた。今夜かけると、おれは家で寝るわけには行かなくなる。それにおれは今夜は上陸してはならないはずなんだ。それはごまかしはついても、とにかく、今夜は家へ!
俥の帳場は、同時に自動車屋を兼ねていた。船長は自動車によって、その家へと宙を飛んで帰った。そして、途中の計画をすっかり忘れて、自分の家の前まで自動車を乗りつけてしまった。
彼は、暖かい家庭の人となった。妻は、彼がおそくなった事情は、「水夫の一人で三上という悪党がワザとそうしたのであって、おまけに主人から十二円を強奪した。そのために主人は一時身が危険であった。主人は、いつでも、家から出て行くと、まるで、強盗殺人の中へションボリ置かれているようなものだ」