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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
線上閱讀葉山 嘉樹《海に生くる人々(うみにいくるひとびと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,305 字 · 321 頁
彼はなさなければならないことの形式だけをやって、しかも感謝の念をセーラーたちから盗もうとさえたくらんだのであった。
黒川鉄男、これがチーフメートであった。黒川は、イヒチオールを塗りまくる間に、口をきくことは、それほど仕事の能率を妨げないし、また、それ以上仕事を、きたなくも困難にもしないと考えた。そして、彼がどんなに、この「虫けら」のようなボーイ長に対してさえ、人道的であるかを見せてやることはいい。と彼は考えた。
「おもては全く、寒いね、そしてまるでまっ暗じゃないか」と黒川は口を切った。彼はボーイ長の胸部にイヒチオールを塗布しながらいった。
「満船の時はどうも仕方がありません」と、ボースンは鞠躬如として答えた。まるで、まるで、寒くて、暗くて、きたなくて、狭いのは、ボースン自身の罪ででもあるように。
「これじゃいくらお前らでもたまらないなあ」
「なあに、メートさん、新造船だから、いい方ですよ」とボースンは答えた。
「暗くて寒いことあ今始まったこっちゃないや、おまけに風呂だってありゃしない、これでもおれらは、人間並みは、人間並みなのかい」と藤原が後ろから、燃えるような毒舌を打っつけた。