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うんのじゅうざはいせんにっき

海野十三敗戦日記

海野 十三

線上閱讀海野 十三《海野十三敗戦日記(うんのじゅうざはいせんにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 83,094 字 · 167 頁

青空文庫

とにかく人間研究を怠り、民生を尊重せず、熊さん八つぁんを奮い立たせるように持って行かないで大戦争を経営した彼らは確かに愚かであった。

十月七日

◯あまり日記を書く気持も起こらない。世情は滔々(とうとう)と移り変わりつつあり。

目下幣原(しではら)(※喜重郎)内閣陣痛中なり。(十月九日内閣成立)

それよりも気になるのは食糧事情であり、配給はいよいよ微力となった。過日の台風によって本年は稲が遅い開花期をやられて不作確実となり、朝鮮、台湾、満州を失ったのに加えて泣き面に蜂のていである。

庶民は盛んに買出しに出かけるが、その内情を聞けば、預金はもう底が見え、交換物資の衣料、ゴム靴、地下足袋等ももうなくなろうとし、いよいよ行詰まりの一歩手前の観ある。やがては買出しも出来なくなるものと思われる。配給などが適正に行なわれなくなれば、次にくるものは何か。恐るべし。

十月十九日

◯もうほとんど諦めていた徹郎君のことが、本日突然好転した。鹿児島から二通の手紙が来たのである。十月二日と同七日に差出した二通の手紙だ。それによると徹ちゃんは既に鹿児島に帰郷していて、防空壕こわしや薪割りに時間を潰しているとのこと。