輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
りんらくのこうじょのおぼえがき
淪落の皇女の覚書
久生 十蘭
線上閱讀久生 十蘭《淪落の皇女の覚書(りんらくのこうじょのおぼえがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 28,649 字 · 56 頁
その連中はぜひとも神さまのおちかづきを得たいという。ところで神さまのおちかづきを得られるのは、できるだけ自らを卑しめたときにかぎるのだ。そこでわしはそいつらを立派な服のまま風呂場へ連れて行き、一人のこらず裸にひん剥いてわしの身体を洗わせ、存分に卑しめてやった。おかげで女どもは神さまとおちかづきになれたよ」
グレゴリイ・エフモウィッチ・ラスプーチンはシベリヤの馬車追いの伜で、若いころから飲酒に耽り、窃盗を働き、婦女を姦し、悪党の面目を落ちなくそなえた具体的な無頼漢だったが、二十一歳のとき聖地巡礼の名目でコンスタンチノープルからスミルナの辺までうろつきまわり、農夫達の無智と迷信につけこんでたぶらかすことをおぼえた。
ラスプーチンの容貌は精神分裂症の一典型で、額も鼻も異状に肥大し、髪も髯も伸び放題にして手入れもしないので陰性なけだものを思わせた。特徴的なのは照りのある豹のような青い眼で、眼差は無心のようでもあり狡猾そうにも見え、なにかを見つめているようだが、そのくせ全然空虚で、見るものになんともいえぬ戸迷いを感じさせた。
ラスプーチンは聖地巡礼中に修得した信仰療法でとてつもない奇蹟をやりだした。