輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《深夜の市長(しんやのしちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,982 字 · 220 頁
「罌粟の花は?」
「ホホホホ」と女はちょっと羞らいを見せて、高らかに笑った。「一度入っただけでよかったものを、御苦労さまにもまたもう一度出入りして、あの花を買って来たのよオ。妾は男の人とみると、直ぐ岡惚れしちゃうのが悪い病でネ。尤もお前さんの場合は、写真に岡惚れしたってわけだけれど……」
蓮葉だった女は語るに連れて、それでもだんだん女らしさを取りかえしてくるようだった。
「じゃあ、もう僕は用事がないわけですね。貴女はあのボロ布に包んだものを、たしかに速水輪太郎氏に渡して下すったのでしょうネ」
「それは間違いなしだわ。……妾の方に用事はないけれど、あなたの方になにか話があるのじゃないかと思ってたのよ」
「飛んでもない、僕の方にどうして話なんか有るものですか」
と、僕は憤然として立ち上った。
このとき女は、憎らしいほど押し黙って、そっぽを向いていた。そのはだけた襟の間からは、膨れあがったような真白な肉の隆起が覗いていた。その上を匍いのぼると、白い氷山のような広い頸があって、見るのも羞かしいような細いくびれの筋がつき、その上に四、五本の後れ毛が搦みついていた。