輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんざんのあき

深山の秋

小川 未明

線上閱讀小川 未明《深山の秋(しんざんのあき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,725 字 · 10 頁

青空文庫

秋も末のことでありました。年老ったさるが岩の上にうずくまって、ぼんやりと空をながめていました。なにかしらん心に悲しいものを感じたからでありましょう。夏のころは、あのようにいきいきとしていた木の葉が、もうみんな枯れかかっていて、やがては、自分たちの身の上にもやってくるであろう、永い眠りを考えたのかもしれない。たとえ、はっきりと頭に考えなくとも、一時にせよ、その予感に囚えられたのかもしれない。いつになく、遠い静かな気持ちで、彼は、雲のゆくのをじっと見守っていました。

夕日は、重なり合った、高い山のかなたに沈んだのであります。さんらんとして、百花の咲き乱れている、そして、いつも平和な楽土が、そこにはあるもののごとく思われました。いましも、サフランの花びらのように、また石竹の花のように、美しく散った雲を見ながら、哀れな老いざるは、しかし、自分の小さな頭の働きより以上のことは考えることができませんでした。

「あの先にいくのは、山にすんでいるおおかみくんに似ているな。そういえば、つぎにいくのは、あの大きいくまくんか、その後から、旗を持っていくのは、いつか森であったきつねくんによく似ている。