輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
みなとについたくろんぼ
港に着いた黒んぼ
小川 未明
線上閱讀小川 未明《港に着いた黒んぼ(みなとについたくろんぼ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 6,903 字 · 14 頁
大地は黒く湿って、草木は音なく眠っていました。
姉は、それから程経て、大尽の屋敷からもどってきました。思ったより、たいへんに時間がたったので、弟はどうしたろうと心配してきたのであります。けれど、そこには、弟の姿が見えませんでした。どこを探ねても見えませんでした。星の光が、かすかに地の上を照らしています。そこには、いままで目に入らなかった月見草が、かわいらしい花を開いていました。そして、これもいままで見なかった、姉の青い着物のえりに、宝石が星の光に射られて輝いていました。
明くる日から、姉は、狂人のようになって、すはだしで港の町々を歩いて、弟を探しました。
月の光が、しっとりと絹糸のように、空の下の港の町々の屋根を照らしています。そこの、果物屋には、店頭に、遠くの島から船に積んで送られてきた、果物がならんでいました。それらの果物の上にも、月の光が落ちるときに、果物は、はかない香りをたてていました。また、酒場では、いろいろの人々が集まって、唄をうたったり、酒を飲んだりして笑っていました。その店頭のガラス戸にも、月の光はさしています。また、港にとまっている船の旗の揺れている、ほばしらの上にも月の光は当たっています。