輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
まんかんところどころ
満韓ところどころ
線上閱讀夏目 漱石《満韓ところどころ(まんかんところどころ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 74,601 字 · 148 頁
風呂場も風呂桶も小さいものである。その上下女が出て来て背中を流してくれる。窮屈に身体を曲げながら、御前は日本人だろう。日本はどこの生れだいなどと話をした。この下女は始めて宿へ着いた時、余を橋本の随行と間違えて、そら何とかさんもいっしょにいらしったと云った。その何とかさんは橋本が蒙古へ行くとき、彼と同じくここへ泊った事があるのだそうだ。顔が似ているから間違えたのか、様子が御供らしいから間違えたのかは、つい聞き糺して見なかった。窓の外に大きな甕が埋けてある。我々の汗や垢が例の酸っぱい水といっしょになって、朝に晩に流れ込んでいるのだから、時々汲み出さなければ溢れるほど溜ってしまう。それを支那の下男が石油缶へ移して天秤棒で担いで、どこかへ持って行く。風呂に浸りながら、どこへ持って行くんだろうなと考えた。余計な心配のようだが余はこの汚水が結局どう片づけられるかの処置を想像して見て、少しく恐ろしくなった。
これでいて御馳走がむやみに出る。胃の悪い余のごときものは、御膳の上を眺めただけで、腹がいっぱいになってしまう。夜は緞子の夜具に寝かしてくれる。店の方では電話が仕切なしにちりんちりんと鳴っている。