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えんげきのようしき――そうろん
演劇の様式――総論
岸田 国士
線上閱讀岸田 国士《演劇の様式――総論(えんげきのようしき――そうろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,091 字 · 22 頁
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を前にして、じかに、その肉体の表情をもつて、物語りを物語ることが、原則として、演劇の演劇たるゆえんなのである。
従つて、ラジオ・ドラマが、「テレヴィジョン・ドラマ」になり、たとえそこに視覚にうつたえる要素が加つたとしても、俳優がじかに観衆の前で演技をしてみせ、互にその反応を示し合うのでなければ「演劇」としての真の「すがた」とはいえないことになる。
それは、それでいいのである。
2
狭い意味の演劇、文学としての戯曲の上演という限られた範囲をとつてみても、そこには、いろいろな条件の変化によつて、さまざまな「かたち」のものができあがる。
「かたち」は単に外形を指すばかりでなく、その「内容」をも指すとすれば、その種類はどれだけあるか、大きな分類を行うことすら困難である。
一般に行われている見方に従い、いわゆる「演劇のジャンル」について、ひと通りの説明をしておこう。
最も古くから行われている「演劇」の大きな分け方は、誰でも知つている通り、「悲劇」と「喜劇」とである。これはもちろん、文学としての戯曲の分類であるが、ギリシア悲劇の流れを汲む悲劇の本質は、人間と神、乃至運命との対立抗争にあつて、苦悶し、慟哭する人間のすがたに、観衆は共鳴し、同情し、自己の罪と汚れとを、一瞬自覚することによつて、心を清められる、というのが、悲劇