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かやくせん

火薬船

海野 十三

線上閱讀海野 十三《火薬船(かやくせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 頁

青空文庫

船長ノルマンは、自分たちに都合のよいことばかりかんがえ、そして万事手ぬかりのないように、先の段取を、心のうちに決めたのであった。そこで彼は、モロ殺しのことも、ハルクを捨てたことも、知らん顔をして、悠々と火薬船ノーマ号へもどってきたのであった。

船では、怪人ポーニンが、彼のかえりを、今か今かと待ちかねていた。

「おお、ノルマン。遅かったじゃないか」

船長ノルマンが、部屋に姿をあらわすと、ポーニンは、手にしていたハイボールの盃を下において、つかつかと入口へ、ノルマンを迎えに出た。

「どうも、骨をおりましたよ」

そういって、ノルマンは、ポーニンが、もっとなにか云い出しそうなのを手でせいして、入口のとびらを、ぴったりとじた。

「おい、結果を早く聞こう。あれは、どうした。そのすじの密偵を片づけることは?」

「あははは、もう安心してもらいましょう。あいつは二度と、この船へはやって来ませんぜ。万事すじがきどおり、うまくいきました。蛇毒で昏倒するところを引かかえて、あの雑草園の下水管の中へ叩きこんできました。死骸は、やがて海へ流れていくことでしょうが、それは永い月日が経ってのちのことで、そのときは、顔もなにもかわっているし、この船も、このサイゴン港にはいないというわけです」