輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

とうみょうのまき

灯明之巻

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《灯明之巻(とうみょうのまき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,444 字 · 47 頁

青空文庫

「所縁にも、無縁にも、お爺さん、少し墓らしい形の見えるのは、近間では、これ一つじゃあないか――それに、近い頃、参詣があったと見える、この線香の包紙のほぐれて残ったのを、草の中に覗いたものは、一つ家の灯のように、誰だって、これを見当に辿りつくだろうと思うよ。山路に行暮れたも同然じゃないか。」

碑の面の戒名は、信士とも信女とも、苔に埋れて見えないが、三つ蔦の紋所が、その葉の落ちたように寂しく顕われて、線香の消残った台石に――田沢氏――と仄に読まれた。

「は、は、修行者のように言わっしゃる、御遠方からでがんすかの、東京からなす。」

「いや、今朝は松島から。」

と袖を組んで、さみしく言った。

「御風流でがんす、お楽みでや。」

「いや、とんでもない……波は荒れるし。」

「おお。」

「雨は降るし。」

「ほう。」

「やっと、お天気になったのが、仙台からこっちでね、いや、馬鹿々々しく、皈って来た途中ですよ。」

成程、馬鹿々々しい……旅客は、小県、凡杯――と自称する俳人である。

この篇の作者は、別懇の間柄だから、かけかまいのない処を言おう。食い続きは、細々ながらどうにかしている。