輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

むめいさっかのにっき

無名作家の日記

菊池 寛

線上閱讀菊池 寛《無名作家の日記(むめいさっかのにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,441 字 · 43 頁

青空文庫

俺はもう手を拱いて、山野や桑田の華々しい出世を、見るよりほかにしようがないかも知れない。家へ帰ってから、しばらくは何も手につかなかった。偶然の機会が突発しない限りは、俺にはもうなんらの機会も、残されていないような気がする。

四月五日。

「×××」は、第二号を発行した。山野は「邂逅」という短篇を発表した。俺はまたそれを飛びつくようにして読んだ。そう佳作ばかりが、続くわけはないと思ったからである。が、俺の安心はすぐ裏切られた。手堅くしかも底光りのするあいつの技巧が、またぐんぐん俺をやっつけてしまった。ことに主題は前の「顔」のそれに勝るとも決して劣らぬほどの光ったものだった。俺は山野に対する反抗の角を折ろうかとさえ思った。俺のあいつに対する反抗は、凡人が天才に対して懐く無意味な反感で、まったく俺自身の心得違いではあるまいかと、思い直そうとした。が、山野の皮肉な笑顔を思い浮べると、すぐむらむらとした嫉妬と反感が俺の全身を襲う。俺はどうしても、あいつの作品に頭を下げる気にはなれないのだ。

四月十六日。

山野の「邂逅」がまた評判がいい。ことに文壇の老大家たるK氏が、あいつの「邂逅」