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えんとつとやなぎ

煙突と柳

小川 未明

線上閱讀小川 未明《煙突と柳(えんとつとやなぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 3,104 字 · 7 頁

青空文庫

冬の晴れた日のことであります。太陽は、いつになく機嫌のいい顔を見せました。下界のどんなものでも、太陽のこの機嫌のいい顔を見たものは、みんな、気持ちがはればれとして喜ばないものはなかったのであります。

太陽は、だれに対しても差別なく、いつでも、喜んで話し相手になったからであります。ちょうどこのとき、太陽は、ちょろちょろと、白い煙をあげている煙突に向かって、

「このごろは、なかなかお忙しいようだが、おもしろいことがありますか。」と、にこやかに笑って、太陽は聞きました。

煙突は、いつもは、黙って、陰気な顔をしてふさいでいたのですが、このときばかりは、なんとなく、うれしそうにはしゃいでいました。

「おかげさまで、このごろは、毎日おもしろいめをしています。ほんとうに、私は、しあわせでございます。」と、煙突は答えました。

「どんなおもしろいことか、聞かしてくれないか。」と、太陽はいいました。すると、煙突は、つぎのような意味のことをば物語ったのであります。

――ほんとうに私は、どんなに寂しかったかしれない。長い間、みんなは私を振り向いて見てくれるものもなかったのです。