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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
線上閱讀林 不忘《煩悩秘文書(ぼんのうひぶんしょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,705 字 · 173 頁
「だからおれあ、稼業のぐあいはどうだと、訊いてるじゃあねえか。」
「へえ。まあ、どうやらどうやら、部屋あ塞がっていますがね――親分、一言伺いやすが、その、旅で、お見そめなすった女ってなあ、この江戸のものでがしょうな。」
佐吉がくすぐったそうに、
「当りめえよ。それがどうしたと言うんだ。」
「いえねえ、どこの娘――むすめだか女房だか知らねえが、どこの何ものてえことは、わかってるんでごわしょうね。」
「解ってるような、わかってねえような。」
「ぷふっ!」と与助は、笑いを手で受けるような恰好をして、
「大分御意に適ったようで。」
「茶化すもんじゃあねえ。おらあ真剣なんだ。おめえも、心から惚れる女に行き当たって見ねえ。おいらの今の気持ちのように、陽かげの世渡りゃア嫌になるし、とてもその女のことを、不真面目な口で話すこたあできなくならあ。おれの胸がおめえにゃアわからねえんだ。」
「そういうものでございますかね。あっしゃアまだ、とんとそのほうの運が向いてこねえから、ふっふふ――ところで親分そんなに気に入った女なら、引っ担いでくりゃあ世話あねえじゃごわせんか。」
「馬鹿あ言え。