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くまのでるかいこんち
熊の出る開墾地
佐左木 俊郎
線上閱讀佐左木 俊郎《熊の出る開墾地(くまのでるかいこんち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,070 字 · 31 頁
」
併しその悪口は、四苦八苦の生活に喘いでいる百姓達の、羨望の言葉だった。
露国との戦争が済んでから間もない頃で、日本の農村は一般に疲弊していた。彼等の村はことにひどいようだった。――稼人を戦争へ引っ張られた農家の人達は、それまで持っていた土地を完全に耕しきることが出来なかったので、彼等は自分の持ち地にかえって重荷を感じた。のみならず、彼等はどんどん現金の要る時なのに、その収入の道がなかったので、一時土地を抵当に入れて金を借りることを考えた。稼人のない間を金に換えて置いて、稼人が帰って来たら再び自分の手許に買い戻す。こんなうまい事はない。彼等は僅かの金で土地を手放した。――併し、いよいよ戦争が済んで稼人が帰って来ても、彼等は再びその土地を自分の所有に戻すことは出来なかった。借りた金は、利息に利息を生み、土地は小作料を持って行った。俄然として疲弊は農村を襲って来た。
そこへ岡本吾亮が素晴らしい話を持って帰って来たのだった。――彼の知人が北海道に無代で提供してもいい百五十万坪という莫大な土地を持っているという話だった。併しそれは道庁から十年間のうちに開拓するという条件でもらったもので、既に二十家族からの人々が開墾しているが、なかなか開墾しきれないので、残りの三年の間に開墾してしまわなければ道庁から取り上げられ