輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
線上閱讀海野 十三《爆薬の花籠(ばくやくのはなかご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 頁
房枝は、こえをかけた。
「曾呂利さん。なにを考えこんでいるの」
曾呂利は、はっとしたようすで、顔をあげた。かれの目は、きらりとするどく光っていた。だが、その目が房枝の目にぶつかったとたんに、ちょっとあわてる色が見えた。
(この人、ゆだんのならない人だわ)
と、房枝は、曾呂利青年に、きついうたがいをかけないわけにはいかなかった。
「ああ、房枝さん。僕たちはとんでもない怪事件の中に、まきこまれてしまいましたよ」
曾呂利本馬は、小声で、ささやくようにいった。
「とんでもない怪事件ですって、やっぱり、トラ十は殺され、美しい花籠は盗まれてしまったのですか。あの人は、ふだんから、にくまれているから、あたりまえよ」
すると、曾呂利が、いそいで房枝のことばをとがめた。
「あたりまえだなんて、そんなことを、かるがるしく、いってはいけません。へんなうたがいが房枝さんにかかってくるかもしれません」
「でもあたし、トラ十を殺した犯人じゃないから、いいわ」
「なるほど」と、曾呂利はうなずいたが、房枝の方へ、さらにすりよって、
「房枝さん、ここに今、もう一つ、あやしいことが起っているのですが、あなたは、それに気がつきませんか」