輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

うし

牛

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《牛(うし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,971 字 · 25 頁

青空文庫

それを思いだすと、女が何者とも知れないこと、地上の誰も経験したことのないいたましい悲劇のように思われた。

「オレだけ運がわるいのかな。どうもそうらしい気がするが、こういう悲観的な考えは人生に害があるだけかも知れない」

彼はそんな風に考えて、自分の人生を好転させようとする努力を忘れなかった。

明日は新学期で、学校の寄宿舎へ旅立つという晩、村の郵便局長が彼の父を訪ねてきた。彼の娘を光也のヨメにもらってくれないかというのであった。

「実はな。光也君が拝殿へ閉じこもっているとき、キャラメルを持って見舞いに行って、云い交したそうだが」

「分った。それでは、これがその娘だ」

父はしまっておいた例の手紙をとりだして見せた。郵便局長は一見してうなずいた。

「これは娘の手だ」

「あんたの娘はまだ小さいが」

「イヤ。郵便局で事務をとっているのがいる」

「あれはカタワだろう」

「ちょッと背中がまがっている」

「あれはセムシというものだ」

「そう云うこともできる」

「ビッコじゃないか」

「片足も少しわるい」

「ひどいビッコだ」

「多少歩行に不自由はある」

セムシでビッコの娘であった。

「よくあの足で真ッ暗闇の山道をテッペンの神社まで登ったなア」