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ぶつりてきくうかんのせいりつまで

物理的空間の成立まで

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《物理的空間の成立まで(ぶつりてきくうかんのせいりつまで)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,996 字 · 61 頁

青空文庫

そしてかかる意味に於ける直観形式と純粋直観との対立を意識して来ることはとりも直さずカントがその感性論を離れてその「先験論理学」の空間論に這入って行くこととなる。

カントは「演繹」に於て次の如く云っている。「外的感性的なる直観の単なる形式である空間はまだ全く認識ではない。その空間は単にアプリオリな直観の多様を或る可能的な認識へ与えるに過ぎない。併し何かを例えば線を空間内に認識するためには私はその線を引いて見なければならぬ。かくて与えられた多様の一定の結合を総合的に成り立たせねばならぬ。かくてこの手続きの統一は同時に意識の統一(或る線の概念)である。そして之によって始めてオブヤェクト(一定の空間)が認識されるのである」と。之によれば始めに「まだ全く認識ではない」と云われた単なる形式としての空間は吾々の先の意味での直観形式であり、カントが之とは区別した処の「一定の空間」なるものは従って明らかに第一の意味での純粋直観に外ならぬと一応は考えられる。事実カントが「空間は単に感性の形式としてではなく直観自身として表象される」(Kritik der reinen Vernunft, 2 Aufl. S. 160)と云う時、この直観自身とは特に直観されたものを意味すると解さねばならぬ如く、前の「一定の空間」