輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
線上閱讀室生 犀星《犀星王朝小品集(おぎふくうた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 105,794 字 · 211 頁
ように体裁つくろうていては、もう、何の尽すすべもなかった。かれらのこういう噂を耳にしては持彦も凝としていられなかったが、夜がくれば花桐の顔がかがやくように匂い、宿直していても一人寝の枕にしたしめなかった。彼女も一人寝していることを渡殿のあなたに思いえがいては、とうてい殿中近くにすだくあまたの虫のこえを聞いて、夜をおくることは出来なかった。そして翌朝帰って来ると、きのう自分で投げ入れた沓をはき、何くわぬ顔付で出仕して行ったが、それも行き詰って自分で自分を何とか片づけなければ、どうにも、殿中人の眼と耳とを蔽うことができなかった。もはや官を退くより方法はないが、そうならそれでもっと逢いもっと物語ったあとでも、おそくはないという半ばは稟身の悲しみを越えた気持は、ただ、いやがうえに逢いたさの迫るばかりであった。
「お身にあうごとにお身の額にきざまれるものを見て、はっとするが、しかし自分で一人いることはこれまでの経験でも、とうてい耐えられるものではない、そして何時の間にか花桐のそばに来てしまうのだ、そのたびにお身の心労は額に深くきざまれてゆくようで、あうごとに気が気ではない、きょうこそは一人で寝ようとしても、夜は静かであるしお身の寝息がわたどののあたりで聞える、髪もにおうて来る、お身の話す言葉がながい列になって頭にうかん