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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
線上閱讀室生 犀星《犀星王朝小品集(おぎふくうた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 105,794 字 · 211 頁
」
「はじめは戸がきしんでそこだけが悪くなっているのではないかと思うくらい、窮屈げに出られるのが気になっていたのでございますが。」
「館を出るときにはいつも悸気がいたして、すぐには、出られないような気になっていたのです。」
「きっとそれは思い詰めていて、きゅうに、その思いつめたものから離れられない証拠かもぞんじません。そしてあなた様は原をよぎって往還に出られるあいだ決まって二度は館の窓をお見上げになる、館の蔀は下りていまするのに、それがお気になるのかと、わたくしめはそう眺めていました。川をお渡りになるときに、風はいつもいたずら好きにあなた様のくろがみをなびかせて参ります。それから衣裳をきらきら光らせていますのが、残んの光に美しく見えてまいります。それより何という数多いご衣裳でございましょう。」
老媼は目にあまる衣裳のうつくしさを、どういったらいいか、まようているくらいであった。実際、彼女は毎夜ごとに衣裳をとりかえ、帯をかえ、袿をかえたのだった。そうでもしなければ到底着つくせないほどの、撩乱たる御衣は、もう着る機会さえもないような気がしていた。彼女は子供のようにそれを見てもらいたかった。