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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
線上閱讀室生 犀星《犀星王朝小品集(おぎふくうた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 105,794 字 · 211 頁
よい人間にはよい人間が近づくという、運命的なものさえ感じられた。世界の何びとよりも、そなたのいろいろな相談事はあの若い武士の胸の内にあるといっていいのだ。そなたが故郷人とか幼な友達とかいう考えからでなくとも、ついに人を選ぶとしたら、わしでなければあの若い武士より外には、人という人は見当らなかったであろう。」
わたくしはうつ向いたままの、顔をあげることすら出来ませんでした。じっと見つめている床のうえがきゅうに明るくなったように見え出して来ました。子供の折に眼をつぶっていてきゅうに開けたときの、ああいう明るい眩しいものさえ感じられて参りました。お羞かしいはなしですけれど、紀介様のしばしば仰せになるああいうお言葉には、やはり嫉妬のようなお心が雑っていると考えていましたわたくしは、そういう考えがはずかしくてならなかったのでございましたけれど、それをどう改めるわけにも参りませんでした。どれほど心を正しく引きもどそうといたしましても、邪念は依然わたくしから意地悪く去ってはくれませんでした。
それがどうでございましょう、いま紀介様がこう仰有っていられますあいだに、あまりにもはっきりと人間の一等高い心というもののありかが、それが病んでいる人にとって病んでいるという大変に悲しいおしごとの数々が、だんだんに重なり積み上って