輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ねこまち

猫町 他十七篇

萩原 朔太郎

線上閱讀萩原 朔太郎《猫町 他十七篇(ねこまち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 28,483 字 · 58 頁

青空文庫

多分皆は、そんなつまらない動物に、興味を持とうとしないのだろう。そこでまた夫人が言った。

「どこから這入って来たのでしょう。窓は閉めてあるし、私は猫なんか飼ってもいないのに。」

客たちはまた笑った。何かの突飛な洒落のように、夫人の言葉が聴えたからだ。すぐに人々は、前の話の続きにもどり、元気よくしゃべり出した。

夫人は不愉快な侮辱を感じた。何という礼義知らずの客だろう。皆は明らかに猫を見ている。その上に自分の質問の意味を知ってる。自分は真面目で質問した。それにどうだ。皆は空々しく白ばっくれて、故意に自分を無視している。「どんなにしても」と、夫人は心の中で考えた。「この白ばっくれた人々の眼を、床の動物の方に引きつけ、そこから他所見が出来ないように、否応なく釘付けにしてやらねばならない。」

一つの計画された意志からして、彼女は珈琲茶碗を床に落した。そして過失に驚いた様子をしながら、人々の足下に散らばっている破片を集め、丁寧に謝罪しながら、婦人客の裾についた液体の汚点をぬぐった。それからの行為は、否応なく客たちの眼を床に向け、すぐ彼らの足下にいる猫へ注意を引かねばならないはずだ。