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ねこまち
猫町 他十七篇
萩原 朔太郎
線上閱讀萩原 朔太郎《猫町 他十七篇(ねこまち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 28,483 字 · 58 頁
要するに初め善きものは終が悪く、終善きものは初めが悪い。終始一貫して善い人生などというものは、西洋人の工夫した社会にもなく、東洋人の道徳する社会にもない。「年を取るてえと、旨めえ物を食うより楽しみがないのに、歯が悪くなるから、だんだん旨めえ物がなくなっちまあ。こんなべら棒な話ってあるかい。」と、老優市村羽左衛門が憤慨したのも、西欧の文人フランスが嘆いたことも、所詮は人間のために、神が万物を造ったという聖書の記事を、人間のエゴイズムに前提した苦情にすぎない。本当のことを言うと、神は人間の幸不幸など初めから考えてはいないのである。万物の玄牝たる自然の母は、一切の生物を生み放しにして、彼ら自らその個体と種族を保存さすべく、生命本能という因果なものを与えてくれた。働く時にも怠ける時にも、僕らは絶えずその苛虐の鞭に打たれているのだ。そこで仏陀やショペンハウエルの教える通り、宇宙は無明の闇夜であって、無目的な生命意慾に駆られながら、無限に尽きない業の連鎖を繰返しているところの、嘆きと煩悩の娑婆世界に外ならない。しかもその地獄から解脱するには、寂滅為楽の涅槃に入るより仕方がないのだ。