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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 174,521 字 · 344 頁
目白も沿線はこわれて陸橋の左右、角の果物屋も交番側のマーケットもなくなりました。池袋の武蔵野デパートね、あすこもありませんし、こっちの角の森永だったかしら? 三角のところ、あすこもすっかりありません。省線にのって行くと、おどろくばかりです、沿線はこわされて。ともかく家々には生活がつまっていたのですものね。方丈記の、人と住居とまた止ることなしと云ったのは、戦国時代の京都をよく表現しているということを実感いたします。東京も表情が随分変化したものです。
御注文の本は「消化機疾患の診断と治療」というのでしょうか、御送りしてみます、腸疾患というのはないようです。ひょいひょいと高く熱が出たりなさらないことは、あなどりがたいプラスの由。封緘一緒に送ります。
今午後二時、九十九度です。大きい大きい埃及人のウチワで煽いで上げたいと思います。
七月二十三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
七月二十三日 日曜日
今午後の二時すぎ。わたしは珍しくのんびりして食堂のテーブルでこれをかきはじめました。こうやって手紙かくときは、いつもガタガタ連隊は出かけて居りません。