輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 174,521 字 · 344 頁

青空文庫

これはどういうことでしょう、思うに、周囲は非常にざわめき揺れ漂っているのね、生活感情において。歴史はジグザグして幅ひろい線で進行して居るわけでしょうが、箇々の人々の生活というものは、その進行とともにその方向へ適確な動きをしているのではなくて、波間に浮く樽のように、自からの大局からはその方へ動きつつ自覚としては旋回的なのではないでしょうか。動きに対して受動で。どっちを向いても何しら流れ漂っている感じです。そういう中に、積荷がしっかり荷綱によってくくられていて、かなりひどく揺れながら船体の安定は保たれている確信があり、スクリューはともかく廻って、潮にしっかりと乗っている一艘の船のように自分を感じるということは、少くとも大した仕合わせではないでしょうか。わたしはこういう感じこそを窮極の幸福としてうけとります、そして自分に願うのよ、舳よ舳よ、しっかり波を突切れ、濤にくだかれるな、もちこたえてのりこえよ、と。何故なら舳のところから親綱がひかれていて、先に親船が進行して居ります。切れることのないそれはひきつなです。舳がつなをもっていられる限り。舳もはっきり知って居ます。