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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 頁
いろいろの旧教と新教と。
わたしはそういう人生の力学が段々面白くて。そういう物理をはっきり把握して、しかもバルザックが自分が捉えてふりまわしたと思った対象に実はふりまわされた、あの熱情を、よく整理することが出来たら、それこそ新しい作家のタイプでしょう。七八年前、「バルザックから何を学ぶか」というものをかいて、バルザックの自己撞着と矛盾、混乱を明らかにしようとしたことがありました。それでもその当時ナポレオン時代後というフランスが、いかに独特な腐敗時期であったかを今よりもっと貧弱にしか知っていなかったから、謂わば卑小な時代に泥まみれとなった雄大な野望的精神のあらわれとしてのバルザックは描けませんでした。スタンダールは「赤と黒」の主人公に於て、卑小な時代に反覆される野心の落ちゆく先はどこかということを描き出しているのでしょう? 何かが今私の内に発酵しかけているらしくて、一寸した風も精神の葉裏をひるがえすというようなところがあります。これは、生活が落付かないのではなくて、何か精神が敏感に耳ざとくなっているということですし、ヒントを感じやすくなっているという状態。