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げんだいのふじんにつぐ

現代の婦人に告ぐ

大隈 重信

線上閱讀大隈 重信《現代の婦人に告ぐ(げんだいのふじんにつぐ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,854 字 · 25 頁

青空文庫

故に愛は百行の本なりといってこそ、より多く事実に適切であろうと想う。普く動植物界を通観するに、いずれか雌雄牝牡の別を具えて、生々化々し行かざるものがある。人類も、またその数に洩れず、男女あって夫婦あり、夫婦あって親子あり、而して兄弟姉妹あり、一家眷族あり、而して郷党あり、社会あり、国家あるのである。即ち君子の道は端を夫婦に発すというが如く、人倫の端緒は夫婦から開けるんである。更に言えば、男女はこの世の経緯である。経緯相交じって衣を為す。経緯離るれば、衣、何処にか存せん。あたかもその如く、この世は男女あってのこの世である。すればまさに社会の基礎は愛であるので、古来如何なる宗教家も、立法家も、一人としてこの愛を説かぬものはない。我輩の平生人に向って語り来ったところのものはこれであるが、この頃英人カアンペンター氏の著書『愛と詩』を繙読するに最もこの意味を力説している。その中には、今ここにちょっと説明し難いような際どいところもあるけれど、ある場合には幾らか吾人の知り置くべきことも散見する。勿論元々独断ではあるが、独断なりとて無下に排斥するは悪い。否、古来幾多の聖賢哲人の金言も思想も幾らかそれ独断を免れ得るか。