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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《現代唯物論講話(げんだいゆいぶつろんこうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 頁
例えば「神の三一性に関する彼(アウグスティヌス)の思想が弁証法の具現であって、その父、子、霊の関係が我々の論理に於ける類、個、種の関係に対応する所があり、又その神の国の観念が、我々の考える類的国家の超越的理念ともいうべきものに相当することを考えるならば、アウグスティヌスの救済の論理こそ類の論理に対応するというのが正当でなければならぬであろう」とか、国家は「理念上宗教的意味を含まなければならぬ」とか、「吾々の所謂人類的国家は菩薩国に外ならない」とか、其の他其の他の、吾々の社会的感覚と又云わば趣味からさえ云って到底忍ぶべからざる思い切った表現も、一応の論述の綿密さから云えば強ちナンセンスではないのである。もし博士が真に道徳的な実践家であり、そして勝れた文学者であったならば、というのはもう少し現代社会の既成機構を悪む人であり、そしてもう少し言葉と観念というものの時代に於ける生態を愛する人であるならば、恐らくこういうような表現は、その趣味が許さないだろうと思われる。
だが趣味などはどうでもいいとして、大事な点は、博士がここで推奨して已まぬ国家なるものが、理念国家であり、或いは之をヘーゲル的発出論から救うために云うなら、云わば無的国家なのであって、決して現実の日本や支那・満州やイタリヤやエチオピヤのことではないという