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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《現代唯物論講話(げんだいゆいぶつろんこうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 頁
* ギリシア哲学に於ける物質の問題の歴史に就いては Baeumker, Problem der Materie in d. griechischen Philosophie が纏ったものである。
かくて物質の概念は、古代自然哲学からプラトンのイデア論に至るまでに、存在の概念から無の概念にまで、転化して来た。だが古代ギリシアの唯物論的世界観が観念論的世界観によって置き換えられねばならなかった社会的必要があったと見るならば、この変化は寧ろ当然過ぎることではないだろうか。
その後、ルネサンスを経て自然科学が勃興し成熟するまで、欧州の哲学の本流に於ては、物質の概念は久しく不遇の位置に置かれていた*。実験的生理学や実験的物理学の発達によって、物質という概念が新しく造り上げられたのを機会にして(そして吾々はそこにデモクリトスの所謂機械的世界観、実は唯物論的世界観の、及びアトミスティークの、様々な古典復帰を見るのであるが)、物質の概念は再び哲学の本流に於ける王座の位置を、又は少なくとも完全な市民権を、漸くにして取り戻した。そこにはホッブズ、スピノザ(之には尤も露骨に物質の概念があるのではないが)を初め、十八世紀のフランス唯物論者・十九世紀のドイツ唯物論者・の物質の哲学を見ることが出来る**。