輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《生死卍巴(せいしまんじどもえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 91,598 字 · 182 頁

青空文庫

小魚の姿を浮き出させていた。

一筋の日光が落ちかかって、首を下げている浪江の頸の、後れ毛を艶々しく光らせていたが、いたいたしいものに見えなされた。

そういう浪江と寄り添うようにして、腰をかけている茅野雄の大小の、柄の辺りにも日が射していて、鍔をキラキラと光らせていた。

その前に立っている弦四郎の態度の、毒々しくあせっていることは! 両足を左右にうんと踏ん張り、胸へ両腕を組んでいる。

と、そういう弦四郎であったが、にわかに磊落に哄笑した。

「アッハッハッ、ごもっとも千万! 浪江殿の婿様でござるゆえ、浪江殿が自身で選ばれるのが、当然至極でございますとも。……そうなると拙者は方針を変えて、慾の方へ走って行くでござろう」

「慾? なるほど! どんな慾やら?」

茅野雄には意味が解らないようであった。

「慾は慾なりでございますよ」

こう云う弦四郎は眼を走らせて、遥かの彼方に森林に蔽われ、頂きだけを出している、洞窟のある岩の山を、意味ありげに眺めやった。

「あそこの洞窟の中にある、神殿の内陣へまかり越し、値打ちあるものをいただくという慾で」

この意味も茅野雄には解らなかったらしい。