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がひつにいきるごじゅうねん

画筆に生きる五十年

上村 松園

線上閱讀上村 松園《画筆に生きる五十年(がひつにいきるごじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,936 字 · 27 頁

青空文庫

二等賞

同 二十六年 東京美術協会「美人合奏」三等銅牌

同 二十七年 東京美術協会「美人巻簾」二等褒状

本当に、絵で一生立とうと考えたのはこの後で、二十歳か、二十一歳の時でありました。それからは、花が咲こうと、月が出ようと、絵のことばかり考えておりました。

母は一人で店を経営し、夜は遅くまで裁縫などしながら、私の画業を励ましてくれました。

烈しい勉強

それからの私は、心は男のように構えておりましたが、悲しいことに、形は女の姿をしております。そのために勉強の上にも、さまざまな困難がありました。私は体は小さくても、生来母譲りの健康体を持っておりましたから、烈しい勉強にはいくらも堪えられました。けれど写生などに行きたくとも、若い女の身で、そうやたらな所へ一人で行くことはできません。仕方がないので、男学生十二、三人の写生旅行に加わって行きました。朝は、暗いうちに起きて、お弁当を腰につけ、脚絆をつけて出かけます。日に、八里、九里も男の足について歩きました。歩いては写生し、写生しては歩くのです。ある時は吉野の山を塔の峰の方まで、三日間、描いては歩く旅行をしました。