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かていしゅうかんのおしえをろんず
福沢諭吉家族論集
福沢 諭吉
線上閱讀福沢 諭吉《福沢諭吉家族論集(かていしゅうかんのおしえをろんず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,942 字 · 66 頁
にて、頻りに子を生むの要用を感じ、その目的を達するには多妻法より便利なるものなきが故に、ここにおいてか妾を畜うの風を成したるものの如し。天理の議論などはともかくも、家名を重んずるの習俗に制せられて、止むを得ず妾を畜うの場合に至りしは無理もなきことにして、またこれ一国の一主義として恕すべきに似たれども、天下後世これより生ずる所の弊害は、実に筆紙にも尽し難きものあり。
さなきだに人類の情慾は自ずから禁じ難きものなるに、ここに幸いにも子孫相続云々の一主義あることなれば、この義を拡めていかなる事か行わるべからざらんや。妻を離別するも可なり、妾を畜うも可なり、一妾にして足らざれば二妾も可なり、二妾三妾随時随意にこれを取替え引替うるもまた可なり。人事の変遷、長き歳月を経る間には、子孫相続の主義はただに口実として用いらるるのみならず、早く既にその主義をも忘却し、一男にして衆婦人に接するは、あたかも男子に授けられたる特典の姿となり、以て人倫不取締の今日に至りしは、国民一家の不幸に止まらず、その禍は引いて天下に及ぼし、一家の私徳先ず紊れて社会交際の公徳を害し、立国の大本、動揺せざらんと欲するも得べからず。