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かていしゅうかんのおしえをろんず

福沢諭吉家族論集

福沢 諭吉

線上閱讀福沢 諭吉《福沢諭吉家族論集(かていしゅうかんのおしえをろんず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,942 字 · 66 頁

青空文庫

の虚飾にても、先ずその形を示して我を知るの道を開くこと甚だ緊要なりとす。即ち我が国衣食住の有様は云々にして習俗宗教は斯の如しなどと、これを示しこれを語りて、時としてはことさらにその外面を装うて体裁を張るが如き、これなり。例えば今日の実際において、吾人の家に外国人の来るあれば、先ずこれを珍客として様々に待遇の備えを設け、とにかくに見苦しからぬようにと心配するは人情の常なり。また、これを大にして都鄙の道路橋梁、公共の建築等に、時としては実用のほかに外見を飾るものなきにあらず。あるいは近来東京などにて交際のいよいよ盛んにして、遂に豪奢分外の譏りを得るまでに至りしも、幾分か外国人に対して体裁云々の意味を含むことならん。一概にこれを評すれば無益の虚飾なるに似たれども、他人をして我が真実を知らしむるは甚だ易からざるが故に、先ず虚より導きて実に入らしむる方便なりといえば、強ち咎むべきにもあらず。その虚実、要不要の論はしばらく擱き、我が日本国人が外国交際を重んじてこれを等閑に附せず、我が力のあらん限りを尽して、以て自国の体面を張らんとするの精神は誠に明白にして、その愛国の衷情、実際の事跡に現われたるものというべし。