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かていしゅうかんのおしえをろんず
福沢諭吉家族論集
福沢 諭吉
線上閱讀福沢 諭吉《福沢諭吉家族論集(かていしゅうかんのおしえをろんず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,942 字 · 66 頁
物の低きに過ぐるは固より宜しからずといえども、これを高くして高きに過ぐるに至るが如きは、むしろ初めのままに捨て置くに若かず。故に他の一方について高きものを低くせんとするの工風は随分難き事なれども、これを行うて失策なかるべきが故に、この一編の文においては、かの男子の高き頭を取って押さえて低くし、自然に男女両性の釣合をして程好き中を得せしめんとの腹案を以て筆を立て、「日本男子論」と題したるものなり。
世に道徳論者ありて、日本国に道徳の根本標準を立てんなど喧しく議論して、あるいは儒道に由らんといい、あるいは仏法に従わんといい、あるいは耶蘇教を用いんというものあれば、また一方にはこれを悦ばず、儒仏耶蘇、いずれにてもこれに偏するは不便なり、つまり自愛に溺れず、博愛に流れず、まさにその中道を得たる一種の徳教を作らんというものあり。これらの言を聞けば一応はもっとも至極にして、道徳論に相違はなけれども、その目的とする所、ややもすれば自身に切ならずして他に関係するものの如し。一身の私徳を後にして、交際上の公徳を先にするものの如し。即ち家に居るの徳義よりも、世に処するの徳義を専らにするものの如し。