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がくもんのどくりつ
福沢諭吉教育論集
福沢 諭吉
線上閱讀福沢 諭吉《福沢諭吉教育論集(がくもんのどくりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 97,278 字 · 197 頁
この事は七、八年前より余が喋々説弁する所なれども、かつてこれに頓着する者なし。近来はほとんど説弁にも草臥たれども、なおこれを忘るること能わず。最後の一発としてここにこれを記すのみ。
書家の説にいわく、楷書は字の骨にして草書は肉なり、まず骨を作りて後に肉を附くるを順序とす、習字は真より草に入るべしとて、かの小学校の掛図などに楷書を用いたるも、この趣意ならん。一応もっとも至極の説なれども、田舎の叔母より楷書の手紙到来したることなし、干鰯の仕切に楷書を見たることなし、世間日用の文書は、悪筆にても骨なしにても、草書ばかりを用うるをいかんせん。しかのみならず、大根の文字は俗なるゆえ、これに代るに蘿蔔の字を用いんという者あり。なるほど、細根大根を漢音に読み細根大根といわば、口調も悪しく字面もおかしくして、漢学先生の御意にはかなうまじといえども、八百屋の書付に蘿蔔一束価十有幾銭と書きて、台所の阿三どんが正にこれを了承するの日は、明治百年の後もなお覚束なし。
このほかにも俗字の苦情をいえば、逸見もいつみと読み、鍛冶町も鍛冶町と改めてたんやちょうと読むか。あるいはまた、同じ文字を別に読むことあり。