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がくもんのどくりつ
福沢諭吉教育論集
福沢 諭吉
線上閱讀福沢 諭吉《福沢諭吉教育論集(がくもんのどくりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 97,278 字 · 197 頁
技芸も道徳も未だ顧るにいとまあらず。
儒者にかぎらず、洋学者流も、この辺の事情については、はなはだ粗漏迂闊の罪をまぬかれ難し。小学の教則に、さまざま高上なる課目をのせ、技芸も頂上に達して、画学、音楽、唱歌、体操等を教授せんとする者あるが如し。田舎の百姓の子に体操とは何事ぞ。草を刈り、牛を飼い、草臥はてたるその子供を、また学校に呼びて梯子登りの稽古か、難渋至極というべし。
『論語』『大学』の教もまた、この技芸の如し。今の百姓の子供に、四角な漢字の素読を授け、またはその講釈するも、もとより意味を解すものあるべからず。いたずらに双方の手間潰したるべきのみ。古来、田舎にて好事なる親が、子供に漢書を読ませ、四書五経を勉強する間に浮世の事を忘れて、変人奇物の評判を成し、生涯、身を持て余したる者は、はなはだ少なからず。ひっきょう、技芸にても道徳にても、これを教うるに順序を誤り場所を誤るときは、有害無益たるべし。今の小学校は高上なる技芸・道徳を教うる場所に非ざるなり。
小学校の教育は、いつにても廃学のときに、幾分か生徒の身に実の利益をつけて、生涯の宝物となすべきこと、余輩の持論なり。