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ふくざわゆきち
福沢諭吉
高山 毅
線上閱讀高山 毅《福沢諭吉(ふくざわゆきち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 54,555 字 · 109 頁
そこで、なかまの朝吹英二に、この仕事をたのんでかえりました。
朝吹は、ちょうど諭吉がとまった、諭吉のいとこの医者の家で書生をしていました。ですから、諭吉は、大阪にいるあいだは、この朝吹を自分のおともにしていたのです。
(これはうまくいくぞ。)
と、朝吹は、すきをうかがって、あんさつしようとしていました。
たまたま、諭吉は、わかいころせわになった緒方先生の家によばれて、朝吹をつれていきました。先生はもうなくなられていたわけですが、先生のおくさまと、なつかしい思い出話をしているうちに、夜もふけて十時ごろになりました。おくさまのすすめで、諭吉はかごにのり、そのわきに朝吹がついていました。もう人どおりはなく、さびしい夜ふけの町に、かご屋の足音ばかりが音をたてていました。
(いまだ。)
と、朝吹は刀に手をかけて、すっと、かごにしのびよりました。そのとたんに、
ドドドド、ドンドン。
と、たいこがなりました。ふいの音に、朝吹はびっくりしてしまい、手をひっこめてしまいました。それは、ちかくのよせ(落語や講談などのかかる小屋)のたいこの音で、かえりの人がぞろぞろでてきたので、朝吹はもうどうすることもできませんでした。