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かがくろん

科学論

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《科学論(かがくろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 頁

青空文庫

こうした利害関係なるものがいつも科学の客観性と相容れないものでなければならぬと決めてかかることは、一つの先入見でしかない。利害が客観的に分析されることによって、利害でなくなるということは、理解出来ないことだ。問題はただ、主観的な勝手な願望や希望によって利害の客観的な認識が妨害される時に限って起きるのである。利害の客観的な認識が、主観的な利害意識と一致する時、利害はそのまま理論的真偽関係に合致するのである。社会科学の真理はこういう事情を伴っているのだ。

社会科学も亦、客観的な歴史的社会的存在の、客観性を持った反映なのだから、自然科学の場合と同じく、矢張り自分自身、独自な科学としての自律性を有っている。そこから社会科学の超イデオロギー性や客観的公正・中立性などが推定される。無論夫でいいのであって、公正でなく主観的で偏頗なものなどは、元来科学ではあり得ない。処がこの客観的で公正で中立で超イデオロギー的・超階級的であることが、実はそのまま階級的対立を意味しているのである。と云うのは、対立した二つの科学的理論が、夫々同じく客観的で公正で中道を行くもので階級主観の利害などに従って利害関係の認識を歪めたりはしてはいない、積りでいるのである。