輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんのしゅっぱつ
秦の出発
豊島 与志雄
線上閱讀豊島 与志雄《秦の出発(しんのしゅっぱつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,532 字 · 29 頁
そしてどういう話題の廻り合せか、秦は告白的な低声で丹永のことを語っていた。
「……氷炭相容れず、冷熱並び存しない筈だが、あれのうちには、それが二つとも、りっぱに存在し得るのだ。あれの情熱は、或る時は熱烈に燃えたつが、或る時は無関心以上に冷淡になる。何が契機でそうなるのか、僕には見当もつかない。藁火のように燃えたつかと思えば、水をかけた灰のように冷たくなる。何でそうなるのか分らないだけに、こちらではまごつかされる。女の感情……情熱というものは、一体に長続きしないものであることは、僕も知っているが、あれのは極端だ。何かこう全身的に、全身の機能的に、火と氷との間を振子のように移り動いてゆく。それは僕の理解を超えたものだ。」
「それほど大袈裟なものでもなかろう。」と私は言ってみた。
秦は素直に首を傾げた。
「僕が誇張して感じてるのかも知れない。けれど、じっと見ていると、心配にもなってくる。熱冷の間を往き来しているうちに、あれの感情……情熱は、何かこう生理的に、一挙に滅びてしまう、ぷつりと切れてしまう、そんな懸念が持たれないでもない。」
「病気ではないのかい。」
「さあ、医者にかかることを嫌うから、はっきりしないが、熱が出るらしい。