輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
線上閱讀海野 十三《空襲葬送曲(くうしゅうそうそうきょく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 95,012 字 · 189 頁
その間に、彷徨う市民たちは、たった一晩のうちに、生色を喪い、どれを見ても、まるで墓石の下から出て来たような顔色をしていた。
風が出てきて、余燼がスーと横に長引くと、異臭の籠った白い煙が、意地わるく避難民の行手を塞いで、その度に、彼等は、また毒瓦斯が来たのかと思って、狼狽した。
市街の、あちこちには、真黒の太い煙が、モクモクとあがり、いつ消えるとも判らぬ火災が辻から辻へと、燃え拡がっていた。
射墜された敵機の周囲には、激しい怒に燃えあがった市民が蝟集して、プロペラを折り、機翼を裂き、それにも慊らず、機の下敷になっている搭乗将校の死体を引張りだすと、ワッと喚いて、打ち懸った。「死屍を辱しめず」という諺を忘れたわけではなかったが、非戦闘員である彼等市民の上に加えられた昨夜来の、米国空軍の暴虐振りに対して、どうにも我慢ができなかったのだった。
戒厳令下に、銃剣を握って立つ、歩哨たちも、横を向き、黙々として、声を発しなかった。彼等にも、生死のほどが判らない親や、兄弟や、妻子があったのだ。
次第に晴れあがってくる空に、プロペラの音が聞えてきた。素破こそと、見上げる市民の瞳に、機翼の長い偵察飛行機の姿がうつった。