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くうしゅうそうそうきょく

空襲葬送曲

海野 十三

線上閱讀海野 十三《空襲葬送曲(くうしゅうそうそうきょく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 95,012 字 · 189 頁

青空文庫

「行き停りだ」

「押して見ましょう」

ガラガラと音がして、冷い風が、スーと入ってきた。

「いよいよ地上へ出たらしい」

「敵の奴、ここから逃げたらしいですね」

「うむ。――あれを見ろ、灯りが、さしているぞ」

「これは、建物の内部です」

「よオし、部下を集結するんだ。一度に、飛び出そう」

「承知しました」少尉は、合図の懐中電灯を波形に、うちふった。ゾロゾロと部下が、集って来た。

頃合はよかった。

「突撃だッ。一イ、二ウ、三ッ!」

ワッと喊声をあげて、一同は手に手に、拳銃を持って、飛び出した。扉らしいものを、いきなり蹴破ると、地下室の広い廊下が、現れた。

薄暗い廊下灯の蔭に、猿轡を噛まされ手足を縛されて転っている一人の男があった。その外に、人影は、見えなかった。道後少尉は、倒れている男を起して、猿轡をとってやった。それは、戸波研究所に、博士の身辺を守っている筈の山名山太郎だった。

「早く階上へあがって、窓を検べて下さい」

山太郎は、泣かんばかりに喚いた。

ドヤドヤと、一同が、階段を駈け上ってみると、三階の西窓が、そこだけは歯が抜けたように、硝子窓が開いて居り、頑丈な一条の綱が、真向うの××産婦人科院の、物乾台のところへ架け渡されているのが発見された。