輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

くうしゅうそうそうきょく

空襲葬送曲

海野 十三

線上閱讀海野 十三《空襲葬送曲(くうしゅうそうそうきょく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 95,012 字 · 189 頁

青空文庫

の銘に気がついたなら、どのように叱驚することだろうか。

しかし、そのときは、一切が夢中だった。黄一郎親子は、仮りの避難所である塵箱の中に居たたまらず、一と思いに死ぬつもりで蓋を払ったところを、思いがけなく防毒マスクを被されたので「助かるらしい」と感じた外は他を顧る余裕もなかったのだった。しかも、背後には、恐ろしい火の手が迫っていた。黄一郎親子は、感謝すべき肉身の死骸の直ぐ傍に立っておりながらも、遂にそれと気付かず、蒸し焼きにされそうな苦痛から脱れるため、後をも見ずに逃げだした。

それに続いて、髯男が、やっと気がついたらしい印袢纏の男を、引立てながら、これも逃げだしたのだった。

「あっしは、恥かしい!」

死人の顔から、防毒マスクを奪いとろうとした浅間しい行為を恥じるものの如く、印袢纏氏は、マスクの中で、幾度も、幾度も、苦吟を繰返した。

大通りの軒を境に、火焔と毒瓦斯とが、上下に入り乱れて、噛み合っていた。

咄! 売国奴

愛宕山の上では、暗黒の中に、高射砲が鳴りつづいていた。照空灯が、水色の暈光をサッと上空に抛げると、そこには、必ず敵機の機翼が光っていた。