輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

かさおりはんくろう

笠折半九郎

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《笠折半九郎(かさおりはんくろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,004 字 · 26 頁

青空文庫

恩賞

一

櫓は助かったのだ。彼はその本分を尽したのである。

――小次郎、己はやったぞ。

火勢の落ちた和歌山城の上に、ようやく朝の光が漲りわたるのを見ながら、半九郎はつきあげるような思いで独り叫んだ。

――やったぞ、己はやったぞ小次郎。

恩賞

一

急を聞いて頼宣が帰ったのは、それから二日後のことであった。

天守閣と櫓の一部が残っただけで、城はほとんど焼けていた。城外では武家屋敷六十軒、町屋敷百九十五軒、町数合せて九十余という大火であった。……火を失した都築瀬兵衛は、親族から切腹を迫られたが、結局は遠島ということに定った。

帰城した翌々日、頼宣は湊御殿に留守役の者を呼んで、防火の労を犒い、またそれぞれ恩賞の沙汰をした。焼け落ちた西丸、二の丸、砂丸の番士たちにも恩命があった。半九郎も伺候していたが、彼にはなんの言葉もなかった。……そして恩賞にあずかった人々が次ぎ次ぎと去って、最後に彼だけが残ったとき、ようやく頼宣が近うと呼びかけた。そして火事場のことには一言も触れず、

「半九郎、その方出火の当日喧嘩をしたそうではないか」

と意外なことを云った。

「仔細はどうでもよい、小次郎に果合いを挑んだというのは事実か」