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かんざしをさしたへび

簪を挿した蛇

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《簪を挿した蛇(かんざしをさしたへび)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,681 字 · 20 頁

青空文庫

紙芝居が映画と異なる点は、実物の写真を用いなくて絵を用いることと、各画面の時間を相手とその時の雰囲気とに従って勝手に変えられる点にある。その両者ともに、見ている子供たちの想像力を誘発するのに適当な条件なのである。それで紙芝居では電気技術だの機関車だのという野暮な話は取り上げない方が利巧である。妖女か孫悟空を主人公とした夢幻的で物凄じい紙芝居が出来たなら、一度見たいものである。

「電気の知識なんか、紙芝居には勿体ないですよ。それよりも孫悟空でもおやりになったら如何です。その方が科学の普及と言ってはどうか分りませんが、将来の日本の科学のためには役に立つでしょう」と返答したのであるが、よく納得はゆかなかったようである。孫悟空に凝って、金箍棒や羅刹女の芭蕉扇をありありと目に見た子供は、やがて原子の姿をも現身の形に見ることが出来るであろう。

生物は細胞からなり、細胞は蛋白質から成る。蛋白質以外の外のものももちろんあるが、いずれにしてもそれらは全部分子から成り、分子は原子から、またその原子は核と電子とから出来ている。もしこういうことが分ったとしたら、生命の神秘が消え失せてしまうように考えるのは誤謬である。