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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 194,628 字 · 371 頁
「―――あたしかて板の間に坐ってたら、冷えて叶わんけど」
「御寮人様、懐炉を入れて参りましょうか」
と、お春が云った。
「―――腰の所へお当てになりましたら、お違いになるやろうと存じますが」
「そしたら、入れて来て貰おうか」
「うち、その間に一と休みさして貰おう」
と、妙子は傘を床に置いて、褄を取りながらゆっくりゆっくりと長椅子の側へ歩み寄って、貞之助に並んで掛けた。そして、
「済みませんけど、一本下さい」
と、ゲルベゾルテを一本貰って火を点じた。
「私もちょっと顔洗って来よう」
と、雪子も洗面所へ出て行ったが、
「雪子ちゃんは、こう云うことやったらいつもニコニコしてるわ」
と、幸子は云って、
「あんた、今日は雪子ちゃんも来たことやし、こいさん何遍も舞わしたさかいに、晩は何ぞ奢りなさい」
「僕が御祝儀出すのんか」
「そうやわ、それぐらいな義務ありまっせ。今夜はそのつもりで何も支度してあれしません」
「うち、何でも御馳走になりまっせ」
「何がええ、こいさん。与兵か、オリエンタルのグリルか」
「うちは孰方でもええわ、雪姉ちゃんに聞いて見て、―――」
「長いこと東京に行てたよってに、鯛の新しいのんが食べたいやろうで」