輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 194,628 字 · 371 頁
が、今から思うとちょうど一箇月前に、あの妹がこんな殊勝な恰好をしてこんな写真を撮ったと云うことが、何だか偶然ではないような、不吉な予感もするのであった。そう云えばあの日、貞之助と幸子と悦子とが妙子を中央に取り囲んで写したのもあったが、事に依るとあれが恐ろしい記念の写真になるのではあるまいか。幸子はあの時、姉の婚礼の衣裳を着けた妹の姿に、何と云うこともなく感傷的にさせられて、泣きそうになって困ったことを覚えているが、この妹がいつかはこう云う装いを凝らして嫁に行く光景を見たいと願っていたことも空しくなって、この写真の姿が最後の盛装になったのであろうか。―――彼女は努めてその考を打ち消しながら、あまり額を視詰めていると不気味になって来るので、床脇の違い棚の方へ眼を移した。と、そこにも、妙子の最近の製作に成る羽根の禿の人形があった。六代目が大阪の歌舞伎座でこれと浮かれ坊主とを出した時、妙子が何度も通ったのはもう二三年前のことになるが、あの時分に六代目の踊を実によく観察していたと見えて、この人形は、顔はそんなに似せてないけれども、体つきの何処かしらに、六代目の感じが髣髴として来るように巧みに癖を捉えてある。