輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 150,580 字 · 287 頁
のであった。
長らく中風症で臥たきりの夫を扶養しつつ美容院を経営して、かたわら一人の弟を医学博士にまでさせ、今年の春には娘を目白に入学させたと云うだけあって、井谷は普通の婦人よりは何層倍か頭脳の廻転が速く、万事に要領がよい代りに、商売柄どうかと思われるくらい女らしさに欠けていて、言葉を飾るような廻りくどいことをせず、何でも心にあることを剥き出しに云ってのけるのであるが、その云い方がアクドクなく、必要に迫られて真実を語るに過ぎないので、わりに相手に悪感を与えることがないのであった。幸子も最初、井谷がいつもの急き込むような早口でしゃべるのを聞いていると、随分この人はと思うところもあったけれども、段々聞いて行くうちに、男勝りの親分肌な気象から好意で云ってくれていることがよく分るし、それに何よりも、理路整然と、打ち込む隙もなく話しかけて来られるので、ぐっと俯伏せに取って抑えられてしまった感じがした。そして、では早速本家の方とも相談をし、又此方でもその人の身元を調べるだけは調べさせて戴いてと、その時はそう云って別れたのであった。
幸子の直ぐ下の妹の雪子が、いつの間にか婚期を逸してもう卅歳にもなっていることについては、深い訳がありそうに疑う人もあるのだけれども、実際はこれと云うほどの理由はない。