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ぞくごくちゅうき
続獄中記
大杉 栄
線上閱讀大杉 栄《続獄中記(ぞくごくちゅうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,326 字 · 49 頁
この故郷のことが、自分の幼少年時代のことが、しきりに思い出される。ことに刑期の長かった千葉ではそうだった。
僕は出たが、どうせ当分は政治運動や労働運動は許されもすまいから、せめては文学にかこつけて、平民文学とか社会文学とかの名のつく文芸運動をやって見ようかと思った。そしてその手始めに、自分の幼少年時代の自叙伝的小説を書いて見ようかと思った。軍人の家に生れて、軍人の周囲に育って、そして自分も未来の陸軍元帥といったような抱負で陸軍の学校にはいった、ちょっと手におえなかった一腕白少年が、その軍人生活のお蔭で、社会革命の一戦士になる。というほどのはっきりしたものではなくても、とにかくこの径路をその少年の生活の中に暗示したい。少なくとも、自分の幼少年時代のいっさいの腕白が、あらゆる権威に対する叛逆、本当の生の本能的生長のしるしであったことを、書き現して見たいと。
僕は自分の遠い過去のことを思い出してはこの創作の腹案に耽った。そしてそのかたわら、語学の稽古がてらに、原文のトルストイの『幼年時代、少年時代、青年時代』や、ドイツ訳のコロレンコの『悪い仲間』などを見本に読んだ。