輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
びしょうねん
美少年
岡本 かの子
線上閱讀岡本 かの子《美少年(びしょうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,417 字 · 27 頁
虫売の手から逃げたのであろう蛍が一つ闇の川を明滅しつつ越して行く。
わたしは少年の述懐を聴き、事の意表に愕いたがどうする術もない。しかし胸は息苦しく、何となく少年のために義憤のようなものを感じている。ふと思い付きに
「いっそ、役者になったらどうなの、そしたら美しいきりょうを苦に病むこともないわ」
すると少年は怒ったらしく怒鳴った。
「嫌だい。この上きりょうを売ものにする職業なんかに誰がなれるとおもう」
その怒鳴り方は悲鳴に等しい響があるのに、なんとなくおかしみが添った。わたしはくっくと笑いながら
「よくよく荷厄介にされたきりょうよしなのね」
笑うと同時に病む眼に涙が痛くにじんだ。
少年は居ずまいを直し、強いて気まり悪さを割って押出すようにいうのであった。
「君は、野暮で、一徹で、都会の中の田舎ものの女だ。そこを見込んで頼みがあるんだ」
どうか、一つ自分と義兄妹の約束を結んでは貰えまいか。君のような野暮堅い妹を持ったら、自分は真面目を支えられきっと救われるに違いないといった。
わたしは、義兄妹の約束なんて、やっぱりこの少年は下町の不良少年なのかと疑い出した。