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びじゅつがっこうじだい

美術学校時代

高村 光太郎

線上閱讀高村 光太郎《美術学校時代(びじゅつがっこうじだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,454 字 · 15 頁

青空文庫

その頃である。岩村透先生がフランスから帰ってきて何もかも新式だというので旋風を巻き起し、その上頭も良かったのでまるで学校中を掻き廻すような有様であった。いろんなことをやり出した。美術学校を専門学校にするにはもっと勇敢にやらねばならぬという風に、思いきりやり出したのである。それは大へんな勢力であった。正木先生は困ったであろう。色々なことから正木先生と岩村先生がとうとう衝突してしまった。美術学校記念日の美術祭なども祟った。この美術祭には岩村先生が大いに力を入れて二三日間も続き、飾物も出来る運動会もやる仮装行列もやるという風で、僕らは裸体になって活人画をやった。こんな事から後に岩村先生は学校を辞めることになってしまった。幾度かこういうふうに学校の空気が変って最後にもっと合理的な境地が出来、それで平凡なものに治まった。

当時はあらゆる方面から見てまだまだ非常に幼稚なものであった。僕らはこうして五年間居たのであるが、結局何んにも分らない。いずれも中途半端なもので分らずに済んだ。卒業前の修学旅行に奈良へ初めて行ったのであるが、その二十歳の時奈良へ行って様々と見たことが初めて自分の身になったような気持がした。